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P「思い出酒場」



1 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/26(木) 23:57:50.50 ID:ClpOdnXPO

――765プロ事務所
――PM19:00

P「はぁ…今日も疲れた…」ハァ...

P「…こういう時は…よし。あそこに行くか」

―――
――




2 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:04:59.86 ID:nmO7UUUSO

――BAR【レモン・ハート】
――PM19:30

P「マスター、久しぶり」

マスター「お?久しぶりだね。元気してたかい?」

P「ははっ。なんとか、身体を壊さない程度には元気ですよ」

マスター「うん。それならいいんだ。今は、芸能事務所のプロデューサーなんだって?すごいね」

P「ははっ。よく知ってますね」

マスター「君は常連さんだったからね。それに…ほら、」クィッ

P「ん?」チラッ

小鳥「あれ?プロデューサーさん?」

P「小鳥さん?なんで小鳥さんが?」

小鳥「それはこっちのセリフですよ!」



4 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:10:22.53 ID:nmO7UUUSO

P「ははっ。昔、俺がここに通ってた時によく飲んでたサケです」

小鳥「ふふっ。プロデューサーさんのお気に入り…ですか」クスッ

P「…そう、なりますかね」フゥ...

小鳥「?」キョトン

マスター「…」

マスター「はい、プロデューサーくん。お待たせ。レモン・ハートだよ」

P「ありがとうございます」

小鳥「ふふっ。ラム酒、ですか?」

P「えぇ。ここのは、特に美味いんですよ」コクッ



5 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:12:52.89 ID:nmO7UUUSO

マスター「そうだ、プロデューサーくん」ニヤニヤ

P「マスター?そんなニヤニヤしてどうしたんです?」

マスター「彼女に、君の話をしてあげようかと思うんだけど、どうかな?」

小鳥「昔の話?」

P「…」

マスター「嫌かい?」

P「ははっ。さすがに、もう引きずっていませんよ」

マスター「そうかい?じゃあ、話すとしようか」

小鳥「…」



9 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:19:21.68 ID:nmO7UUUSO

マスター「一時期、彼はここの常連さんでね。よく他の常連さんと、飲んでいたんだよ」

マスター「で、その中の一人と…恋仲になってね」

P「…」コクッ

マスター「その時の彼は、まだ学生さんだったんだけど、それはそれは似合っていてね?」

小鳥「プロデューサーさんの彼女さんだった人、ですか…」コクッ

マスター「うん。君によく似て、それは綺麗だったよ」

小鳥「…///」テレテレ

P「…」コクッ、カラン...

マスター「おや?サケが無くなったみたいだね。何にする?」

P「じゃあ、ウイスキーのウーロン茶割りで」

マスター「うん、分かった。音無さんは?」

小鳥「あ…じゃあ、私はレモンハートで」



11 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:23:01.14 ID:nmO7UUUSO

小鳥「あら…ほんとに美味しい」コクッ

マスター「ははっ。それは嬉しいね。僕の店の名前にもなってるだけは、あるでしょ?」

小鳥「ふふっ。えぇ」クスクス

小鳥「で、マスター?話の続きは?」

P「…」コクッ

マスター「そうだったね。彼女には、ひとつの夢があったんだ」

小鳥「…夢?」

マスター「そう。大きな、大きな夢」

P「マスター?」

マスター「はははっ。大きな、っていうのは、彼女に失礼だったかな?」



12 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:25:23.30 ID:nmO7UUUSO

小鳥「どんな、夢だったんですか?」コクッ

P「…」コクッ

マスター「アイドルに、なること」

P「…」コクッ



14 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:31:12.75 ID:nmO7UUUSO

マスター「だけど、その夢は破れてしまったんだ」

P「…」コクッ

マスター「それから、彼女は姿を消した。この店からも、彼の前からも」

P「…昔の、話ですよ」



15 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:36:33.97 ID:nmO7UUUSO

マスター「それぐらいからだったかな?彼は、一時期酒浸りになってね」

P「ははっ…懐かしいですね」

マスター「それで、僕が叱ったんだ」

マスター「サケは飲むもの、だってね」

P「ははっ。あの時のマスターは、ホント怖かったですよ」

小鳥「…」コクッ

―――
――


マスター「じゃあ、僕の話はこれでおしまい。プロデューサーくんたちはどうする?」

P「時間も時間ですし、今日はもう帰ります」

小鳥「あ、じゃあ私も」

マスター「そっか。じゃあ、気が向いたらまた来てくれると嬉しいよ」

P「えぇ。必ず来ますよ」

小鳥「私もです」クスッ

マスター「じゃあ、二人に…スランジバール」



17 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:38:53.47 ID:nmO7UUUSO

――帰り道
――PM23:00

小鳥「ふふっ。ちょっと、飲みすぎてしまったみたい…」

P「大丈夫ですか?小鳥さん」チラッ

小鳥「…ちょっと…ダメかもしれません。フラフラします…」フラフラ、フラフラ

P「…じゃあ、ウチに来ますか?」

小鳥「…えっ?」ドキッ

―――
――




18 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:43:19.13 ID:nmO7UUUSO

――Pの部屋
――PM23:40

小鳥「…お邪魔します」フラフラ

P「気を付けてくださいね?今、電気を付けますから」

――パチッ

小鳥「…ふふっ。ホントに…来ちゃいました」クスクス

P「小鳥さん、少し…話しましょうか」

小鳥「…はい」

P「…で、なんでベッドに座ってるんです?」

小鳥「…柔らかそうだった…から?」クスッ

P「そういう問題ですか?」

小鳥「ふふっ。いいじゃないですか」クスクス


小鳥「で、どんな話なんです?」



19 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:45:46.16 ID:nmO7UUUSO

P「さっきの話、どう思います?」

小鳥「…さっきの?」

P「俺の、昔話です」

小鳥「…」

小鳥「ホントに、好きだったんですねぇ…」

P「…えっ?」

小鳥「だってね?」

小鳥「プロデューサーさん、泣いてるもの」



22 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:49:37.95 ID:nmO7UUUSO

小鳥「じゃなきゃわざわざ、私を部屋に入れたりはしないでしょ?」クスクス

小鳥「ふふっ。お酒が入るとダメですね。ついついしゃべり方が変わっちゃう」クスッ

P「…」

小鳥「あと、もうひとつ」スッ

P「?」

小鳥「なんで、彼女さんが貴方の前からいなくなったか、分かります?」

P「…なんでって…夢が破れたから、ですよね?」

小鳥「はぁ…本当、プロデューサーさんはニブイんだから」



24 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:55:18.30 ID:nmO7UUUSO

小鳥「彼女さんは、あなたを本当に愛していたからですよ」

P「…えっ?」

小鳥「…愛していたからこそ、貴方の前からいなくなった。まったく…本当、不器用なんですから」

P「…あの…小鳥さん?」

小鳥「…私もね?昔は、アイドルだったんです」

小鳥「ふふっ。全く売れませんでしたけど」クスクス

P「…知ってますよ」

小鳥「…えっ?」

P「…花、空、光」

P「どれも、いい曲でした」



26 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 00:58:47.22 ID:nmO7UUUSO

P「…でも、愛しているのにいなくなるのは、ヘンじゃないですか?」

小鳥「ふふっ。女はですね?いつもキラキラしてる自分を、見ていてもらいたいものなんです」

小鳥「…アイドルになれなかったから、キラキラ光れなかったから…」

小鳥「彼女は、そう思ったんじゃないでしょうか」

小鳥「…私も、そうでしたから」

P「…小鳥さん?」

小鳥「ふふっ。昔の、話です」クスッ

P「…」



30 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:04:17.91 ID:nmO7UUUSO

小鳥「…昔ね、好きな人がいたんです。当時の、私の担当プロデューサーでした」

小鳥「鳴かず飛ばずな私を、決して見捨てないで、光らせてくれようとした人」

小鳥「とっても…とっても大切で、大好きで、愛していたんです。10代の、子どもなりに…ですけど」クスッ

P「…」

小鳥「…でも、私は諦めてしまったんです」

小鳥「キラキラ光る事」

小鳥「空を飛ぶ事」

小鳥「みんなの笑顔を咲かせる事」

小鳥「…ぜんぶ、ね」クスクス

P「…小鳥さん」



31 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:08:44.85 ID:nmO7UUUSO

小鳥「そして、あの人の前から消えたんです」

小鳥「アイドル音無小鳥は」

小鳥「な~んて、ふふっ。お酒のせいかな?昔話が、スッと出てきます」

小鳥「…ねぇ、プロデューサーさん?」

P「はい?」

小鳥「なんで、プロデューサーさんはプロデューサーになろうと思ったんです?」

P「…それは…」

小鳥「社長にスカウトされたからとはいえ、断ることも出来たはずなのに」



33 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:12:26.97 ID:nmO7UUUSO

P「…未練、でしょうか」

小鳥「未練?」

P「アイツが叶えられなかった夢を、俺が叶えてみたかったんです」

P「本当に…本当に好きでした。愛していたんです。心から」ポロッ...

小鳥「…」ギュッ

P「…小鳥さん?」

小鳥「さっき知っていると答えてくれたプロデューサーさんに聞きます」

小鳥「覚えていますか?私の、曲」

P「え、えぇ…」

小鳥「…すぅ」スゥ...



34 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:15:04.57 ID:nmO7UUUSO

小鳥「はじまりとおしまいなんて、繋がって巡るもの
    大事なのは、止めないことと、諦めないこと」



37 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:19:20.08 ID:nmO7UUUSO

小鳥「私は、諦めちゃいましたけどね」クスッ

小鳥「ねぇ、プロデューサーさん?」

P「…なんです?」ポロッ...ポロッ...

小鳥「未練でも、いいじゃないですか」

小鳥「貴方がいるから、光り輝けるあの娘たちがいる」

小鳥「貴方がいるから、みんなの笑顔を咲かせてあげられる…あの娘たちがいる」

小鳥「貴方がいるから、歌という翼で、空を舞えるあの娘たちがいる」

小鳥「それって、とっても素敵な事なんですよ?」ギュッ



38 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:22:26.25 ID:nmO7UUUSO

小鳥「それはですね?」

小鳥「奇跡でも、運でも無いんです」

小鳥「例え未練からだとしても、それは…」

小鳥「貴方がいたから、貴方が、あの娘たちを信じているから…なんです」

小鳥「違いますか?」

P「…」

P「そうです…」



39 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:25:11.09 ID:nmO7UUUSO

小鳥「はぁ…一気に喋ったら、酔いが醒めてきちゃいました」クスクス

P「…」

小鳥「じゃあ、私はそろそろかえりP「…」ギュッ

小鳥「…」

小鳥「…プロデューサーさん?」

P「…」ギュッ

P「あんな昔話してすぐに言うと、信じてくれなさそうですけど」

P「言っちゃいます」

小鳥「…えっ?」ドキドキ、ドキドキ

P「…小鳥さん」



41 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:29:07.37 ID:nmO7UUUSO

――チュッ

小鳥「あっ…」チュッ

小鳥「…えっ?」

小鳥「…プロデューサーさん?その…ちゅって…えっ?」

P「は…ははっ…」

P「言葉よりも…先に行動してしまいました…」

小鳥「…ばか」

P「えっ?」

小鳥「ばかばか!」ポコポコ、ポコポコ

P「えっ?えっ?」

小鳥「…久しぶり、だったのに…」

小鳥「…久しぶりの…キスだったのに~!」グスッ

P「イ…イヤ…でした?」アセアセ、アセアセ

小鳥「…」ジー



42 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:31:46.89 ID:nmO7UUUSO

小鳥「…」ジー

P「う…うぅ…」

小鳥「…ふふっ」

P「…?」ドキドキ、ドキドキ

小鳥「ねぇ、プロデューサーさん?」

小鳥「は、はい…」

小鳥「私、諦められなかったことが一つだけあるんです」クスクス

P「は、はぁ…」

小鳥「それはですね?ふふっ」



43 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:33:25.73 ID:nmO7UUUSO


小鳥「大好きな人と、ずっといっしょにいること」




46 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:38:48.53 ID:nmO7UUUSO

小鳥「春夏秋冬、大好きな人と…夢みたいな毎日を過ごすこと」

P「小鳥さん…」

小鳥「…ふふっ。こう見えても私…乙女なんですよ?」クスクス

P「は、ははっ…」ギュー

小鳥「…だから、ね?プロデューサーさん」スッ

――チュッ

小鳥「私と一緒に、夢を見てくださいますか?」

おわり



52 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/27(金) 01:45:26.97 ID:nmO7UUUSO
ちなみにスランジバールはゲール語で、
「貴方の御健康を」
という意味です。某サケ漫画のマスターが時々口にする言葉です






http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343314670/
[ 2012/07/27 ] SS | TB(0) | CM(0)
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