SS属性

SSまとめ。旧はらぺこ属性。

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小鳥「お腹すいた……」



1 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:42:39.35 ID:vzllXKLj0

小鳥「…………」カタカタカタカタ

小鳥「ふふ……」カチカチ

小鳥「765プロの事務員さんが可愛いんだけど……と」カタカタカタ

小鳥「……伸びないわね」

小鳥「よいっしょっと……、あらやだ。もう2時じゃない」

小鳥「……お腹すいた」グ~

小鳥「そういえば晩御飯はうまい棒とチョコバットしか食べてないんだっけ」

小鳥「んー……。コンビニでいいかな」

小鳥「さすがにパジャマは恥ずかしいわね」ゴソゴソ



6 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:45:34.08 ID:vzllXKLj0

マンションから出るとコンビニの白いあかりがここからでも良く見えました。

数歩ほど行くと薄暗い駐車場とまっくらな空き地に挟まれます。

通りを隔てた環状線は深夜でも盛況で、静かに車のエンジン音だけが聞こえました。


湿気を帯びた空気は生暖かくて少々気持ち悪いです。

小鳥「うー……、何か出そうだなぁ……」

口に出すと揺れる雑草すらも薄気味悪くて自然と急ぎ足になりました。


コツコツコツコツ……


足音だけが響きます。

虫の鳴き声は聞こえませんでした。そのときは気がつきませんでしたが。


なるべく周りを見ないように、視線をコンビニだけに向けていると、横殴りに光が飛び込んできました。

小鳥「牛丼……?」



8 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:50:02.94 ID:vzllXKLj0

通勤方向とは間逆でしたが、こんなところに牛丼屋さんがあるだなんて気がつきませんでした。

赤と黄色の看板でお馴染みの大手チェーン店です。


小鳥「……こっちにしますか」

腹具合とお財布、それに一人歩きのリスクを比較して私は牛丼屋さんを選びました。


大きなガラスは店内の様子がよくわかります。

お客さんは0。店員さんも見える範囲にはいません。

駐車場に止まっている原付は店員さんのものだと思います。



ガラスの扉を開けて店内に入ると、明るいチャイムが鳴ってホッとしました。

エアコンでよく冷やされた空気が、
先ほどまで体にまとわりついていた湿気を洗い流してくれてとても快適でした。



9 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:55:28.54 ID:vzllXKLj0

店内にはU字型のカウンターと、いくつかのテーブルがあります。

迷うことなくテーブルです。

一人牛丼の時点で女としてどうかと思いましたが、
カウンターに座るにはまだレベル(乙女度と反比例します)が足りません。


店員「いらっしゃいませ……」

大学生くらいの男の人が眠そうな声で出てきました。

お茶の入ったグラスは、大きな氷が入って汗をかいています。



11 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:56:38.44 ID:6jDPPFusO
だらしない小鳥さんと汗だくセクロスしたい



12 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 00:56:44.62 ID:vzllXKLj0

店員「ご注文お決まりでしょうか……?」

メニューを開いてみると、予想よりずっとたくさんの品揃えでした。

しばらく来てないうちに新メニューも増えていたようで、真剣に迷ってしまいました。



小鳥「んー……」

店員「お決まりになりましたらそちらのボタンでお呼びください……」

マニュアルそのままであろうセリフを残して、店員さんはバックヤードに引っ込んでしまいました。



14 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:00:48.02 ID:vzllXKLj0

窓ガラスをふと見れば、大型トラックのブレーキランプと、一人で牛丼屋に来ている寂しい女が座っていました。

現実から目を逸らしてメニューを凝視します。


小鳥「うーん……」

革新と保守のせめぎあいです。


さっぱりとしたおろしポン酢クンは美味しそうでいくらでも入りそうですが、それは逆に大変危険に思えます。

学生時代大好きだったキムチさんと旧交を温めるのも悪くないでしょうが、いささか慣習に縛られてるきらいがあります。

チーズちゃんは爆発的カロリーを軸に小宇宙を脳内に描きますが、あれ糸みたいに伸びてみっともないんですよね。



15 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:03:21.32 ID:vzllXKLj0

ぺらりとページをめくると、
うな丼、カレー、マグロと鶏肉の丼、鮭やハンバーグの定食が自分の魅力を最大限にアピールしてきました。


「食べて~」と可愛らしい声が聞こえました。妄想です。


小鳥「ふふふ……、今日はどの子と遊んであげようかしら?」

ぼそりと漏れた呟きに気がついて口元をメニューで隠しました。

危ない危ない。



17 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:06:00.39 ID:vzllXKLj0

デザートまでじっくりと目を通してからコールボタンを押しました。


ピンポーン


深夜のテンションに任せて連打したくなるのをグッとこらえました。

テーブルをびっしょりと濡らしたコップを傾けると、空っぽのお腹によく染みます。


店員「お待たせしましたー」

こちらこそお待たせしました。

脳内でやりとりをしながらメニューを指差します。


今日のお相手は

店員「ご注文を確認させていただきます。牛丼おしんこセット並。以上でよろしかったでしょうか」

小鳥「はい」


チキンじゃないですよ? 堅実なんです。



20 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:09:50.30 ID:vzllXKLj0

先ほど立てたスレがdat落ちしたのを携帯電話で確認。

ため息をつきながらリロードしていると店員さんがお盆を持ってきます。

白く上がった湯気と一足先に届いた匂いで口の中に唾がたまりました。


店員「牛丼おしんこセット並です。ご注文は以上で揃いましたでしょうか?」

コックン

涎が垂れるといけないので頷きだけで返しました。

店員「ごゆっくりどうぞ~」



21 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:13:22.39 ID:vzllXKLj0

セットはシンプルに、牛丼、おしんこ、お味噌汁です。

一口お茶を含んで清めると割り箸を勢いよく開きました。

小鳥「いただきます」


お味噌汁を啜ると、いい香りです。

出汁が利いて味噌の風味もよく出ていました。


小さく切った油揚げを噛むと、染みこんだ汁がじゅわ……っと出てきます。

刻んだねぎはシャキシャキとしてたまりません。

わかめの旨みは他の味と複雑に絡んでいい仕事をしています。


ベースのカツオが全体を包み、味噌と具の調和もすばらしくて

小鳥「ふう……」

自然と熱い呼気が漏れました。

とってもセクシーです。主観ですが。



22 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:17:23.47 ID:bymRev9v0
おなかすいた



23 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:18:40.64 ID:vzllXKLj0

おしんこは箸休めに取っておいて、丼をがっしりと掴みました。

左手に伝わる熱はまさに生命の源! と言った呈で、私は全身で牛丼を味わいます。


白い大地を覆ったお肉とたまねぎは豊穣の証です。

茶色に染まった具から脳髄を揺さぶるような香りが漂いました。

甘くて、刺激的で、醤油色の香りです。


薄いお肉を一切れ口に放り込むと、味が口の中で爆発しました。

舌に乗せただけで、スープに溶け出した脂が味蕾を蹂躙します。

噛み締めると牛肉の実力は遺憾なく絞られて、瞬く間に肉片は消えてなくなりました。



24 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:19:48.54 ID:lQv7kQvA0
こいつがステマと言う奴か…
腹減った




25 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:19:59.17 ID:8eBrV+//0
俺も腹減った



27 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:21:55.93 ID:vzllXKLj0

今度はご飯と一緒に頬張ります。

かき込みそうになるのをグッと堪えて、一口ずつ、……我慢です。


つゆの染みこんだご飯と牛肉のコラボレーションは、私の胃袋をガッツリ捉えました。

咀嚼することだけに集中してしまいます。

時折混ざるたまねぎは柔らかく歯ごたえがあり、健康的な甘みが食欲を増進させました。


一口噛むたびに喜びが溢れて、多幸感に包まれます。

濃い味付けは脳内麻薬にも似て、いくらでも体が欲しているようでした。



30 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:26:47.35 ID:vzllXKLj0

熱くて汗が吹き出ました。

紙ナプキンで拭いていると、大事な事を忘れてたと気がつきます。


そう、紅しょうが委員長と七味唐辛子先生です。


丼の片隅にピンクの小山が出来ました。

赤とオレンジの雨を降らすと、そこは誰もが夢見るユートピアです。


はしたなくがっつかない様に自制しながら、箸を動かすともう止まれませんでした。


ややもすれば強すぎる甘みに、紅しょうがの酸味がピリリと利きます。

七味の刺激は胃袋を震動させて、食べ始めたばかりのような錯覚を引き起こします。


甘み、酸味、辛味、旨み。


複雑に絡み合った味を一言で表現するならば、「うまい!」しかありえません。


原始の記憶を呼び起こす強い感動がそこにはありました。



33 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:29:51.68 ID:8g4OGUr/0
ピヨちゃん愛でに来たら罠だったでござるの巻





腹減った・・・




36 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:30:31.27 ID:vzllXKLj0

ガツガツガツガツ……。

気がつけば丼に口を寄せていました。


刺激を求め続ける脳を理性でねじ伏せます。

なんとか引き剥がすと、おしんこに標的を変えました。

ポリポリと音を立ててかじると、薄い塩味と野菜の水気が口内をさっぱりとさせてくれます。



日本人でよかった。

心底そう思いました。



37 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:34:29.38 ID:vzllXKLj0

小鳥「ふぁ~」

最後にお味噌汁を飲み干すと自然と声が出てしまいました。

食器は綺麗に空っぽで、お腹にずっしりとたまった存在を再確認できます。



大型の機械から吹き寄せる冷風を浴びていると、ぶるりと寒気がしました。

汗が冷えてきたのでしょう。

風邪を引く前に退散する事にしました。


小鳥「すいませーん!」

奥にまで届くように声をかけるとすぐに店員さんが来ました。

店員「お会計全部で350円になります。……はい、丁度ですね。ありがとうございましたー」


値段以上の満足感をお土産に、私は意気揚々とお店を出ました。



38 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:37:50.35 ID:bymRev9v0
安い!



39 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:38:33.32 ID:vzllXKLj0

左手からは、ホームグラウンドと呼んでも差し支えないコンビニが、青と白の看板を強く光らせています。


小鳥「けぷ……」

込み上げた泡沫はわずかにニンニクの面影がありました。

まだまだ乙女の私はそれがすごく気になって、コンビニへ行くことにしました。



店長「いらっしゃい」

小鳥「こんばんはー」


ホームグラウンドは伊達じゃありません。

この辺りに引っ越してから通い詰めた私はすっかり常連で、店長さんとも顔見知りなのです。

とりあえずカゴを持って店内を一周します。

ガムとウーロン茶とまがりせんべいをカゴに入れました。



40 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:43:34.57 ID:vzllXKLj0

ピッ ピッ

すっかりルーチンワークとなった作業なのに、ニコニコと楽しそうに店長さんはこなします。


小鳥「そういえば、牛丼屋さん出来てたんですね。私知りませんでした」

店長「474円になります。牛丼? へぇこの近くなの?」

小鳥「? ええ、すぐそこに」

表を指差しながら答えました。

あいにくと遮蔽物のせいでお店は見えませんが、おおむね合っているでしょう。


店長「…………?」

小鳥「?」

二人で小首をかしげてしまいました。



41 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:46:09.46 ID:vzllXKLj0

店長「あははは、お姉さんも冗談うまいねぇ。引っかかるところだったよ」

小鳥「え?」

店長「あそこが牛丼屋だったのはずいぶん昔の話だよ。ここだけの話だけどさ、多重債権のかたに売られて
   誰が権利者なのかまだゴタゴタと揉めてるらしいよ」

小鳥「え」


店長「元の持ち主はなんでも大手チェーンを丸々パクッたらしくて、裁判沙汰にもなったらしいよ」

小鳥「……そ、その人は?」

店長「ん?」

小鳥「その人はどうなってんですか……?」


店長「他にも色々手を出してたみたいだけど、全部パクりだってんだから笑えるよね。
   結局行方知らずらしいよ。聞いた話だけど」

小鳥「…………」

店長「どうかしたのかい? 顔色悪いみたいだけど」



43 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:48:56.39 ID:vzllXKLj0

私は無言でお酒コーナーに行くと銀色のアルミ缶を手に取りました。

500ml×6です。

ずっしりとした重みが勇気に変わるのです。


小鳥「これもお願いします」

店長「あぁ、はい。……余計なお世話だけどあまり飲み過ぎないほうが……」

小鳥「えぇ……」


「ありがとうございました」の声を背に駐車場に出ると、私はバシュッ! と勢いよくプルタブを引きました。

流れ込んでくる麦の恵みを味わう余裕はありませんでした。

ひたすらに喉の奥で炭酸を弾けさせます。

小鳥「ぐぇえっぷ」

鼻から抜けた炭酸の痛みで涙が滲みました。




46 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:50:02.07 ID:vzllXKLj0

一気に空き缶にしてゴミ箱に放り込むと、軽い音がしました。

出来るだけ思いっきり遠回りして家に帰ります。

大通りを照らすオレンジ色の外灯を見ながら、家に着くまでに袋の中身を半分にしました。





ビールでどれだけ流しても、口の中は牛丼のままでした。



49 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:53:47.64 ID:vzllXKLj0

―――――――――――――――


小鳥「でもね、本当の恐怖はその後だったのよ……」

千早「………………ゴクリ」

やよい「うぅ…………」

小鳥「次の朝、いつも通りに起きた私は出勤の準備をしていたの。そしたら……」

真美「そ、そしたら……?」

小鳥「恐ろしい事に…………、体重が増えてたの……! これは絶対に悪霊の仕業よ!」

春香「ひぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」



51 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:54:51.50 ID:vzllXKLj0

律子「おーい、ミーティングするわよー」

雪歩「はーい」

伊織「いい暇つぶしになったわね」

亜美「オチがイマイチだったけどね→」

小鳥「ちょい! なんで漫談みたいな感想もらわなきゃいけないのよ! 本当なんだってば!」

あずさ「あら? 貴音ちゃん? どうしたの?」

響「涎をたらしたまま気絶してるぞ……」

美希「あふぅ、終わったの?」

小鳥「本当なんだってばー! 信じてよー!」


ワーワーギャーギャー




おしまい



52 名前: VIPがお送りします 投稿日: 2012/07/19(木) 01:55:05.71 ID:vzllXKLj0
ありがとうございました

深夜の牛丼 怖いですね

むかし毎日のように食べてたら一ヶ月で4kg増えました  怖かったです






http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342626159/
[ 2012/07/19 ] SS | TB(0) | CM(0)
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