1 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 00:57:39.68 ID:9uKa18iE0
憧「シズぅ……」
穏乃「なあ憧。最後なんだし、キスしようか」
憧「!?」
穏乃「ごめん、嫌だった?」
憧「そんなこと! ただ、嬉しすぎて……、驚いちゃって」
穏乃「よかった。それじゃ目閉じて、憧」
憧「うん……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | フーム…
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
4 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:03:26.66 ID:9uKa18iE0
憧「ちゅっ……、ちゅ、ちゅ……、ちゅっ」
穏乃「えへへ。なんか照れくさいね」
憧「そうね。でも……」
穏乃「うん……」
「「大好き」」
憧「あー……。かぶっちゃったね」
穏乃「仕方ないよ。同じこと考えてるんだから」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ウム
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
6 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:13:04.68 ID:9uKa18iE0
憧「ね、シズ」
穏乃「んー?」
憧「もしこんなことしておいて人類が滅亡しなかったらどうする?」
穏乃「そりゃ恥ずかしいね」
憧「あはは……、だよね」
穏乃「でもけっきょくは同じだったかも!」
憧「同じ、って?」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | フンフム
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
7 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:15:56.88 ID:9uKa18iE0
穏乃「世界滅亡なんて決心するためのきっかけ」
穏乃「どうあれいつかは同じことしてたよ、私達」
憧「そっ、か……」
憧「今も幸せだけど、そんな世界でもよかったかもね」
穏乃「うん。そうだね」
憧「そしたらあたし達、どんな未来を育めたのかなあ……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ワクワク
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
9 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:22:48.16 ID:9uKa18iE0
穏乃「憧は間違いなく口うるさい嫁になってたな!」
憧「おい! こんなときなんだから嘘ついてでももっとまともなこと――」
穏乃「口うるさいけど……、いい嫁さんになってたと思う。私の自慢の嫁に」
憧「……まともな、こと……」
憧「……」
憧「もー……」
穏乃「へへん」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | エヘヘ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
12 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:33:42.12 ID:9uKa18iE0
憧「あーもう、お手上げ。あたしの負け。シズにはかなわないや」
穏乃「大勝利ー! ……っと、そうだ憧」
憧「なーに?」
穏乃「私の考えは今言った通りだけど、憧はどう思う?」
憧「あたし?」
穏乃「うん。憧の考える未来が知りたい」
穏乃「そしてもし、残り短い時間の中で少しでも実現できそうなことがあれば叶えてあげたいんだ」
憧「……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ドキドキ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
15 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:41:05.83 ID:9uKa18iE0
憧「あの、ね……」
穏乃「うん」
憧「あたしの思い描く未来は……」
穏乃「聞かせて」
憧「もう全部……、かなってるんだよ」
穏乃「えっ?」
憧「シズが隣にいて、好きだよって言ってくれて」
憧「あたしの望む、考える、夢見る未来はそれで全てだから」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|////ノ|l | キャッ!
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
18 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:47:13.18 ID:9uKa18iE0
憧「……なんて、ちょっとくさかったかな!」
憧「ごめん! 今のはやっぱ――」
穏乃「ねえ、あこー」
憧「うっ、うん」
穏乃「好きだよ」
憧「……!」
穏乃「好きだよ」
憧「……幸せが叶いすぎて怖いぐらいだよ。シズ」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ラブラブ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
21 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 01:56:17.81 ID:9uKa18iE0
憧「シズ。髪の毛撫でてくれる?」
穏乃「いいよ」
憧「ありがと。あー、落ち着くなー」
穏乃「ずいぶん長く伸ばしたよね」
憧「髪のこと?」
穏乃「うん」
憧「そうね……。和と同じぐらいはあるかな……?」
穏乃「なぜそこで和の名前が?」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ウムム…
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
23 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:01:25.69 ID:9uKa18iE0
憧「あはは。一応、和ぐらい伸ばそうと決めてから伸ばしはじめた髪だからね」
穏乃「へー。そうだったんだ」
憧「……覚えてるかな?」
穏乃「ん?」
憧「シズが昔、和を見て言った言葉」
憧「あの転校生髪が長くて綺麗だな……、って」
穏乃「えーと……、ごめん。さすがに忘れた」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | シズー
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
24 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:07:06.21 ID:9uKa18iE0
憧「だと思った」
憧「……ま、しょうがないか」
穏乃「……」
憧「むしろこんなこと、覚えてる方がおかしいぐらいの些細な――」
穏乃「綺麗だよ」
憧「へ?」
穏乃「憧の髪……、和より綺麗だよ」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | キュンッ!!
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
28 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:17:27.69 ID:9uKa18iE0
憧「あはは……、お世辞でも嬉しい」
穏乃「本心だよ!」
憧「や。だって和だよ?」
憧「アイドルじみてるし、スタイルいいし、麻雀も強いし……」
憧「あたしなんかよりずっとシズを惹き付ける、あの和だよ……?」
穏乃「はーっ……。勉強できる割に馬鹿だなー、お前」
穏乃「和にはキスなんかしないよ。キスするのは憧だけ」
穏乃「だって本当に私を一番惹き付けるのは……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | シズゥ…
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
30 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:28:21.81 ID:9uKa18iE0
憧「しずー。何か食べたいものない?」
穏乃「お腹空いたの?」
憧「そこまで。でも、突然シズに何かしてあげたくなって……」
憧「だから何かつくったげよっかな、って」
穏乃「おおー! それならラーメン食べたい! ラーメン!」
憧「了解。にしても好きだよねー」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ~゚ノ|l | モグモグ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
32 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:32:55.44 ID:9uKa18iE0
憧「あい、おまち!」
穏乃「やったー!」
憧「ふふ……」
穏乃「……? 私の食べ方何か変だった……?」
憧「ううん、違う違う!」
憧「たださ。シズってリスみたいな口して食べるから、見てて可愛くて」
穏乃「リスー? はじめて言われたなあ」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | シズカワイイ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
34 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:41:59.67 ID:9uKa18iE0
憧「あ……。そろそろ、外が」
穏乃「わっ、本当だ……」
憧「昼なのに暗いね」
穏乃「本当に終わっちゃうんだ……」
憧「……」
穏乃「大丈夫だよ、憧。最後まで傍にいるから」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | アワワワワ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
36 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:47:42.85 ID:9uKa18iE0
憧「……」
穏乃「……」
憧「……嫌だぁ」
穏乃「憧?」
憧「やっぱり嫌……」
穏乃「……」
憧「死にたくないよ……。もっと一緒にシズと生きたいよ……」
穏乃「憧……。私……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ・・・・
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
39 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 02:54:02.87 ID:9uKa18iE0
憧「うっ、ぐすっ、ぐすっ……」
穏乃「憧」
憧「っ!? あ、う……、ちゅぅ……」
憧「ぷはっ。はあっ、はあっ……」
穏乃「怖いことは全部忘れさせてあげる。だからもう泣かないで」
憧「し、ず……」
穏乃「最後に見る憧が泣き顔なんて嫌だよ……」
憧「……はい」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ホウホウ
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
42 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 03:01:50.16 ID:9uKa18iE0
憧「シズ……、シズ……」
穏乃「憧……?」
憧「ぎゅってして……」
穏乃「いいよ」
憧「やたっ」
穏乃「憧ってあんがい甘えたがりだよね」
憧「うん。甘えるの好き……」
憧「もっと早く素直になっておけばよかったな……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|゚ ヮ゚ノ|l | ウン…
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
45 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 03:30:57.23 ID:9uKa18iE0
憧「はっ……、はっ……」
穏乃「……」
憧「シズ……」
穏乃「憧……」
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o
。
_
,'´ ヽ
,'´l゚ミliノリlヽ)、
| | (l|;゚ ヮ゚ノ|l | っ!? シズ!? オーイ、アコー!>
'' ノ、(|_i茆i_|)、'
<_i_i_>
し'ノ
47 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 03:43:24.85 ID:9uKa18iE0
 ̄ ̄ ̄ ̄
「憧ー! 今からご飯食べにいかない!?」
窓の外から飛び込むシズの呼び声。
あたしの頭の中で繰り広げられていた終末劇は、そうして唐突に途切れさせられた。
「何食べにいこうなー」
「つーかシズ。あんた行動が突然すぎ」
「へへ。なんか急にそんな気分になって」
シズと並んで歩きながら、ふと思う。
さっきまでの妄想にはやけに質感があったな。
まるで現実の出来事のように、と。
48 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 03:45:52.88 ID:9uKa18iE0
「今日は天気いいなー」
シズと結ばれる光景自体は何度も脳内でシミュレートしたことがある。
だが、あれほどまでに肉質をともなったイメージは、はじめてだった。
そもそもいつもの幸せ一辺倒な妄想シチュエーションとは趣が違いすぎる。
慣れない妄想は、どうもあたしの頭をふやけさせてしまったようだ。
「ひょっとして、どこかには本当に一度滅んだ世界が存在したりして」
だからこんな、電波な独り言をつい漏らしてしまった。
「……大丈夫、憧? なんか悪いものでも食べた?」
不審がるシズを、苦笑を浮かべながら誤魔化し。
それでも頭の中では、電波と地続きな考え事を続ける。
49 名前:
VIPがお送りします 投稿日: 2012/12/21(金) 03:47:02.89 ID:9uKa18iE0
それは兆に一つの可能性かもしれないけれど。
あんな風に今がいつ終わるとも知れないのなら。
もう少し積極的になってみてもいいんじゃないかな、なんて。
「しーずっ!」
「おお! どうした憧、今日は積極的じゃん!」
いつもよりアグレッシブにと、シズに腕を絡めにいくあたしの頭上には、
何の変哲もない透明な青空が広がっていた。
不思議とリアルな白昼の妄想と、そのちょっとの続きのお話。
おわり
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356019059/